Windows で Clash Meta(Mihomo)の PROCESS-NAME ルール:プロセス単位の分流(2026)
「ブラウザだけ代理、ゲームは直結」「海外向けクライアントだけ別ノード」といった要望は、ドメイン規則だけでは足りないことがあります。Clash Meta(Mihomo コア)の PROCESS-NAME ルールを使えば、実行ファイル名(.exe) 単位で通信の出口を切り替えられます。本稿は Windows 上で YAML にどう書くか、TUN やクライアント設定とどう噛み合わせるか、プロセス名 の調べ方まで、操作型の流れで整理します。カスタムルールの一般論 や Linux の DNS 関連稿 とは視点が異なり、exe だけを別経路へ送りたい読者向けです。利用は法令と各サービスの規約に従ってください。
PROCESS-NAME ルールが向く場面と限界
PROCESS-NAME は、接続が属するプロセスの実行ファイル名(例:chrome.exe、GameClient.exe)と照合します。サイトのホスト名で振り分ける DOMAIN 系と違い、「どのアプリが出したソケットか」で決められるため、同じブラウザで国内と海外を分けたいといった用途には向きません。一方で、特定のゲームランチャーだけ直結・本体だけ代理のように、アプリ単位が明確なときに強みを発揮します。マルチプロセス構成のアプリでは、見かけ上ブラウザと同じ UI でも裏側で別 .exe が動くことがあり、タスクマネージャーの「名前の列」を実測する前提で読んでください。UWP やコンテナ境界は Windows ストアアプリ・ループバック関連の整理 と棲み分けします。
前提:Meta コアと「トラフィックがコアに見える」こと
PROCESS-NAME を効かせるには、該当トラフィックが Clash Meta のルールエンジンまで届いている必要があります。システムプロキシだけに頼ると、プロキシ非対応の UDP や、プロキシを無視する実装のプロセスでは、プロセス情報がコア側で揃わないことがあります。実務では TUN モード(仮想インターフェースでトラフィックを取り込む)を有効にし、ルールモードで動かす構成が多いです。TUN の考え方は TUN モードの解説 と、Windows 11 での Clash Verge 初回セットアップ を合わせて読むと、画面のチェック項目と対応が取りやすくなります。ドライバ初回インストールや管理者権限のダイアログは、環境ごとに一度だけ通る想定で構いません。
ルール行の基本形(YAML)
rules 配列の各行は、先頭から最初にマッチした一条で確定します。したがって PROCESS-NAME を使う場合も、より狭い条件を上に、マッチ残り(例:MATCH)は最後に置くのが原則です。書式は次のとおりです(第三列は proxy-groups で定義した名前、DIRECT、REJECT など既存のポリシー名)。
rules:
- PROCESS-NAME,SomeGame.exe,GameLine
- PROCESS-NAME,AnotherTool.exe,DIRECT
- GEOIP,CN,DIRECT
- MATCH,Proxy
ここで GameLine は proxy-groups に存在する名前に合わせます。タイプミスや未定義の名前は起動時またはリロード時にエラーになるため、エディタの検索とクライアントの設定検証をセットで回してください。Mihomo/Clash Meta では PROCESS-PATH などパス全体で絞りたい別ルールタイプもありますが、フォルダ違いの同名 .exe を区別したいとき向きで、日常的には PROCESS-NAME の方が記述が短いことが多いです。
プロセス名を間違えないために
タスクマネージャーを開き、「詳細」タブで名前列を表示します。ユーザーが意識しているのが game.exe でも、実際には game_launcher.exe が通信主体である、といったずれがよくあります。リソースモニターや、クライアント付属の接続一覧で、該当アプリ操作中にどの .exe が増えたかを見ると確度が上がります。大文字・小文字は Windows 側の取り扱いに依存するため、実ファイル名と同じ綴りで書くのが安全です。日本語インストーラが展開したパスにだけ存在する実行ファイルは、英語版と別名になっていることもあるため、検索して「ルールに書いた名前と実行中の名前が一致しているか」を確認してください。
ルールと proxy-groups の組み合わせ例
たとえば「普段使いは自動選択の Proxy プールへ、特定ゲームだけ低遅延ノードの GameJP へ」という構成なら、proxy-groups に GameJP を select などで定義し、PROCESS-NAME,MyGame.exe,GameJP をその上に置きます。proxy-groups の考え方 が未確認なら先に目を通すと、第三列に何を書けるかが明確になります。購読テンプレが既に大量の GEOIP や RULE-SET を抱えている場合、カスタム追記は rules の上段に入れるか、クライアントの mixin/prepend 機能で「常に先に評価される」位置に置く、のどちらかが一般的です。テンプレ更新で上書きされないよう、自分用の追記専用ファイルに分ける運用もおすすめです。
クライアント(GUI)側で押さえるチェック
Clash Verge Rev などでは、購読を有効化したあと、システムプロキシとTUNのどちらを主に使うか、ルールモードになっているかが画面に出ます。PROCESS-NAME を試しているのに反応がないときは、まず TUN がオフになっていないか、別プロファイルを編集していないかを疑ってください。モード差し替え(グローバル固定など)にすると、ルール順の意図と実挙動がズレます。Meta の sniffing と DNS を触っている環境では、ホスト名ベースのルールと併用したときにログ上の表示順が変わることがあるため、Rule ログで「想定のプロセス名でヒットしたか」を確認すると切り分けが早いです。
よくあるつまずき
(1) ルールはあるが、実際は先頭の DOMAIN-SUFFIX に吸われている——順序を見直し、プロセス条件を上へ。(2) .exe 名は合っているがトラフィックがコアに来ない——TUN 未使用やバイパスリストに該当ホストが入っていないか。(3) ランチャーは直結にしたがゲーム本体は代理にしたい——本体とランチャーでファイル名が別であることをログで確認し、それぞれ PROCESS-NAME を分ける。(4) アンチチートやカーネルドライバが絡むタイトルは、仕様によりTUN と相性が悪いことがある——その場合は当該タイトルの利用規約とコミュニティ情報を確認し、無理な迂回をしないことです。
セキュリティと運用の注意
プロセス名で振り分ける方式は強力ですが、同名の実行ファイルが別パスにある場合、意図しないプロセスにもマッチするリスクがあります。重要環境では PROCESS-PATH でディレクトリまで限定する、ルールログを一定期間保存して監査する、などの層を足してください。また、職場端末では TUN/ドライバ のインストール自体が情報システム部門のポリシーに抵触することがあります。個人環境での実践でも、ゲームの規約によっては接続経路の変更が禁止されていることがあるため、その点は事前に確認ください。
まとめ
Windows で Clash Meta/Mihomo を使い、グローバル代理ではなく特定の exe だけ別出口へ送りたいとき、PROCESS-NAME と適切なモード(多くは TUN)、ルール配列の順序の三点が揃えば実現しやすくなります。プロセス名はタスクマネージャー等で実測し、YAML の第三列が proxy-groups と一致していることを確認してください。一般的な分流の枠組みは チュートリアル でも触れているので、初めての方はそちらから入ると全体像が掴みやすいです。
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