iPhone/iPad で Stash を初めて使う:購読インポートと分流ルールの入門

「iOS で Stash を入れたばかりで、購読は貼ったのに通信が安定しない」「ルールとポリシーの画面が多くて、どこから触ればよいか分からない」といった検索で辿り着いた方向けの入門です。Stash は iPhone/iPad 向けに配信される Clash 系クライアントの代表格のひとつで、購読(サブスクリプション)の取り込みルールに基づく分流(スプリットルーティング)ポリシーグループの選択までを GUI で扱えます。メニュー名はバージョンで多少異なりますが、考え方は Android 向け Clash ガイドmacOS の Clash Verge 入門 と同じ土台です。本稿では iOS 特有の権限と画面の読み方に寄せて整理します。

Stash とは(この記事の前提)

Stash は、iOS のネットワーク拡張(いわゆる VPN プロファイルの枠組み)を使ってトラフィックを処理するクライアントで、多くの場合 Clash Meta(Mihomo)互換の設定をプロファイルとして読み込みます。ユーザー体験としては「購読 URL からリモートの YAML を取り込み、アプリ内でノードやルールを切り替える」という流れに馴染みがあります。エコシステム全体の位置づけは 2026 年時点の Clash エコシステム解説 に譲り、本稿では iOS での初回セットアップと分流の読み方に絞ります。

利用規約・プライバシー・配信形態は国やアカウント設定で変わり得るため、入手元の説明を確認したうえで利用してください。技術的な説明は一般論として書いており、特定サービスの推奨や利用可否の判断は読者の責任範囲です。

インストールと入手経路

iOS では通常 App Store から入手する形が一般的です。地域によって検索結果や表示名が異なる場合がありますが、開発者情報や更新履歴が追える配布を選ぶのが安全です。TestFlight や企業配布など別経路を使う場合は、署名と更新ポリシーを必ず確認してください。

他プラットフォーム向けの実行ファイルや説明の揃え方は、本サイトの ダウンロードページ で整理しています。ソースコードや Issue を追う用途で GitHub を開くことはあっても、日々のクライアント入手の第一参照先はダウンロードページに寄せると、記事のバージョン表記とも突き合わせやすくなります。

初回起動:VPN 権限とプロファイル

iOS ではトラフィックを拡張機能側へ渡すために、初回に VPN 構成の追加を求められるのが一般的です。ここで「許可」まで進まないと、購読が取り込めていても実通信が期待どおりに流れません。設定アプリの 一般 → VPN とデバイス管理(名称は OS バージョンで近似)にプロファイルが載っているかも合わせて確認してください。

用語の整理は チュートリアルページ が役立ちます。プロファイル・購読・ルールという語が頭に入っていると、以降の「モード」と「ポリシー」の話が読みやすくなります。

💡 ヒント 権限を許可した直後は、一度アプリを終了してから再起動し、メイン画面の接続スイッチとプロファイルの選択状態が一致しているかを確認すると、設定の反映漏れを防げます。

購読(サブスクリプション)のインポート

プロバイダから渡された 購読 URL を、Stash の「プロファイル」「サブスクリプション」に相当する画面へ登録し、更新を実行します。長い URL は QR コードや共有シート経由で貼り付けるとミスが減ります。名前・更新間隔・User-Agent が選べる場合は、プロバイダの案内に合わせるのが安全です。

URL が切れた・認証に失敗する場合の整理は 購読 URL の解説記事 にまとめてあります。複数プロファイルを切り替える運用では、用途ごとに分かりやすい名前を付け、いまアクティブなプロファイル がどれかを画面で確認できる状態にしておくと、後からのトラブルが減ります。

動作モード:ルール/グローバル/直結のイメージ

多くの Clash 系クライアントでは、大枠として ルール(Rule) モード、グローバル(Global)直結(Direct) のような切替が用意されます。初心者のうちは、まず ルール で購読テンプレの意図どおりに動くかを確認し、切り分けのために一時的に グローバル で特定ノードに固定する、という順が扱いやすいです。仕組みの背景は proxy-groups と rules の解説 とセットで読むと、画面のどの項目が YAML のどこに対応するかが掴みやすくなります。

「国内サイトは直結、海外だけプロキシ」といった典型的な分流は、ルール側の DIRECT とプロキシ系ポリシーのマッチングで実現されます。ここを誤解すると、遅い/繋がらない原因がプロキシではなくルールにあるのに、ノードばかり疑ってしまいます。

分流ルールとポリシーグループを読む

分流(スプリットルーティング)とは、1 本のトンネルに全流量を流すのではなく、ドメインや IP、GEOIP などの条件で経路を分ける考え方です。Clash では rules がマッチ順に評価され、マッチした行が参照する proxy-groups へ振られます。Stash の UI でも、ポリシー名の一覧や自動選択(url-test など)の状態が見えることが多いです。

グループの型(selecturl-testfallback など)の違いは proxy-groups の日本語ガイド が詳しいです。iOS では画面の深さや編集手段がデスクトップより限られることがあるため、まずは どのポリシーが選択式で、どれが自動選択か を見分けるところから始めると負荷が低いです。

購読のデフォルトに足し足しで例外を入れたい場合は、上書きやマージ機能の有無を確認し、直接編集する場合は更新タイミングでの上書きに注意してください。設計の考え方は カスタムルールの解説 が参考になります。

DNS と「ルールなのに繋がらない」症状

ルールやノード以前に、名前解決で詰まっているケースは珍しくありません。プロファイル内の dns 設定や、クライアントの DNS モードを、購読テンプレの推奨に合わせます。iCloud プライベートリレーや、キャリアのフィルタ DNS も変数になり得ます。切り分けとして、(1) 別ブラウザで同一サイトを開けるか、(2) Wi-Fi とモバイル回線で挙動が変わるか、(3) ルールモードとグローバルモードで差があるか、を順に見ると原因が絞りやすいです。

仮想インターフェースまわりの一般論は TUN モードの記事 も参照できます。iOS の実装詳細は OS とクライアントの組み合わせで異なるため、詰まったらログ画面のエラー文をそのまま手がかりにしてください。

接続できないときのチェックリスト

  1. 1

    購読とプロファイル

    期限切れ・プロバイダ側メンテ・URL 再発行で止まっていないか。更新エラーをそのまま検索すると FAQ に当たりやすいです。

  2. 2

    VPN 構成と競合

    別の VPN アプリやプロファイルが常時 ON になっていないか。iOS は同時に複数の拡張が競合しやすいです。

  3. 3

    モードとポリシー

    ルールで意図しない DIRECT に落ちていないか、自動選択グループが不適切なノードを選んでいないか。必要なら一時的に手動選択へ寄せて切り分けます。

よくある質問

Android/PC と同じ購読を流用できる?

多くの場合、同じ購読 URL でプロファイルを取り込めます。一方で端末ごとに最適化されたテンプレがあるプロバイダもあるため、iOS 向けの注意書きがあればそれに従ってください。

省電力モードで切断される

バックグラウンドでの VPN セッションは OS の省電力制御の影響を受けやすいです。低電力モードやアプリのバックグラウンド更新設定を確認し、再現手順(画面オフ直後など)をメモすると原因調査が楽になります。

サファリだけ遅い

拡張機能やコンテンツブロッカー、iCloud プライベートリレーが経路を変えている可能性があります。一度拡張をオフにして比較し、DNS 設定も含めて切り分けます。

まとめ

iOS での Stash 初回セットアップは、「信頼できる配布を入れる → VPN 権限とプロファイルを通す → 購読で設定を揃える → ルールモードで分流を確認 → 不調なら DNS と競合を疑う」という流れに集約できます。画面の細部はアップデートで変わりやすい一方、購読・ルール・ポリシーという骨格は他プラットフォームと共通なので、Android 版の記事macOS 版の記事 とあわせて読むと、設定思想の移行がスムーズです。

クライアントのビルドは更新が早いです。記事の画面例と違っても、上記の骨格は変わりにくいので、リリースノートと一緒に読み替えてください。安定した入手先とバージョンの対応を追いやすいよう、実行ファイルの参照は 本サイトのダウンロードページ を第一にすると、説明との突き合わせもしやすくなります。オープンソースの利用規約やソースを確認したい場合は、本文とは別枠で GitHub のリポジトリを参照する形がおすすめです。

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