Steam/Epic Games を Clash で分流:ストア更新・ゲームダウンロードが詰まらないルールの書き方(2026)

SteamEpic Games で、ストアが開かない・更新が終わらない・ゲームのダウンロード速度が異常に遅いといった不調は、回線やプラットフォーム単体の問題だけではなく、Clash などルール型プロキシの経路の束ね方と相性が悪いときにも起きやすいです。ブラウザで普通にサイトが見えるのにランチャーだけ不調、国内向けの帯域まで遠いノードへ流してしまう、CDN の名前解決と実接続の出口が食い違う、といったパターンは実務でもよく見ます。本稿は、ゲーム配信プラットフォームのストア/CDN/ランチャーを、日常の Web 閲覧や社内帯域と分流ルールで分け、ノード選択DNS をログで検証する手順を、Zoom/Teams 向け記事や開発者向け分流記事とは対象ホストを変えたゲーマー向けの実用ガイドとして整理します。

まず切り分け:「プラットフォームの障害」か「プロキシが経路を歪めている」か

SteamEpic Games は、表示はできるがインストールが進まない、更新の残り時間が異常、ログインだけ失敗する、といった症状の出方が似ます。再インストールやディスク確認の前に、Clash を一時的に Direct 相当にしたりオフにしたときだけ改善するかを見ると早いです。改善するなら、分流ルールの不足や誤マッチ、DNS の解決経路、システムプロキシと TUN の取り違え、あるいは帯域の大きいダウンロードを遅延の大きいノードへ載せている可能性が高く、Valve や Epic 側が完全に到達不能、とは限りません。

一方、地域販売制限やアカウントロック、二段階認証の失敗など、クライアントに明確なエラーが出るケースは代理の話以前のことがあります。ここでは自分でネットワーク設定を調整できる範囲に絞り、ランチャーと CDN 向けホストを意図したプロキシグループへ流し、巨大なコンテンツ転送は状況に応じて DIRECT や別グループへ分ける考え方を説明します。トンネル型 VPN との違いは Clash と VPN の比較記事 も参照してください。

Steam/Epic のトラフィックは「ひとかたまり」ではない

ゲーム配信は、ストアの HTML/APIアカウントとライブラリCDN 上の巨大パッチP2P や複数ミラーなど、性質の違う通信が混ざります。すべてを同じノードに載せると、ストア表示用の軽い HTTPS は問題なくても、数ギガバイトの転送だけ帯域や遅延で詰まる、といった偏りが出やすくなります。

Steam では steampowered.comsteamcommunity.com などのドメインに加え、クライアント更新やコンテンツ配信まわりで別ホスト名がログに並ぶことがあります。Epic Games でも epicgames.com 系に加え、ランチャーや CDN、関連サービスで名前が増えます。固定の「完全リスト」はすぐ古くなるため、本稿に出すドメインはログを見るときの目安とし、実運用では自分の端末の Clash 接続ログに出たホスト名を正としてルールを育ててください。

なぜ「全体をプロキシ」にするとストアと DL が壊れやすいか

グローバルに近い動きは、本来は直結や低遅延ノードがよいトラフィックまで同じ出口に送り込み、遅延・ジッター・帯域枯れを増やしやすいです。大容量のゲームデータは往復遅延よりもスループットと安定した TCPが効き、遠回りの中継にまとめると「速度制限に見える」挙動になりがちです。また、出口 IP の地域がアカウントの想定とずれると、再認証のループや一部機能の制限につながる例もあります。

現実的なのはドメイン単位の分流に加え、必要ならプロセス名でランチャー本体を明示する方法です。グループ名の付け方とネストは proxy-groups のガイド を参照し、rules 側ではYAML に実在するグループ名と綴りを一致させてください。ここがずれると「ルールを足したのに効かない」になりがちです。

システムプロキシ、TUN、ランチャーがプロキシを読むか

デスクトップでは SteamEpic Games Launcher が独立プロセスで動き、OS のプロキシ設定を必ずしもすべての接続に使うとは限りません。ブラウザではストアが開けるのにランチャーだけ失敗するときは、ゲームクライアントの一部が Clash に乗っていない、または逆に意図しない経路で外に出ている疑いがあります。

  • システムプロキシ:負荷は小さめですが、ランチャーがプロキシを無視する経路を持つとログに現れないまま外に出ることがあります。
  • TUN モード:より下位でトラフィックを取り込み、カバー範囲は広くなりがちです。一方で別の VPN やフィルタと競合しやすく、DNS や fake-ip の設定も絡みやすくなります。仕組みは TUN モードの解説 を参照してください。

実務では、まず接続ログでインストールや更新操作時の宛先がコアに現れるかを確認し、足りなければシステムプロキシの見直しか TUN かを選ぶ流れが安全です。複数の VPN や加速器を同時に重ねないかも確認してください。

PROCESS-NAME で「ランチャー本体」を明示する(Mihomo/Meta 系)

ドメインだけでは拾いきれないとき、実行ファイル名でポリシーを固定する手があります。クライアントが PROCESS-NAME ルールに対応していることが前提です。例は環境依存なので、そのままコピーより自分の OS で動いている名前に置き換えてください。

  • Windows の例:Steam は steam.exe、Epic は EpicGamesLauncher.exe などがログやタスクマネージャに出ます。サブプロセスやヘルパーが別名になることもあるため、更新直後にログを再確認します。
  • macOS の例:アプリバンドル名は SteamEpic Games Launcher のように表示されることがあり、ルールの書式はクライアントのドキュメントに合わせます。

プロセス指定は強力ですが、広く書きすぎると意図しない通信まで同じ出口に吸われるので、まずはドメインで足りるかを試し、漏れが出たプロセスだけ足すのが無難です。書き方の共通項は カスタムルールの解説 にまとまっています。

ドメイン例:ログを正としてリストを育てる

以下は出発点の例です。クライアントの更新で変わり得るため、丸ごとコピーして万能設定にするのは避け、ログに基づき増減してください。

  • Steam 側の目安:steampowered.comsteamcommunity.comsteamstatic.comsteamusercontent.com など。ストアのトップだけルールを書いても、実際の CDN やコンテンツ用ホストが漏れると「ページは開くがダウンロードが進まない」になります。
  • Epic 側の目安:epicgames.com 配下に加え、ランチャーや配信基盤に関係する別ホストがログに出ることがあります。
  • CDN 共有:大手 CDN のドメインは他サービスとも共有されやすく、DOMAIN-SUFFIX を広く取るとゲーム以外まで同じ出口に流れます。最小限にしたい場合は、ログに繰り返し出るホストに絞ります。

分流ルールの例:プライベートと国内を先に DIRECT、ストア用グループへ

以下は構造の例です。PROXY_STORE は自分の設定にあるポリシーグループ名に置き換え、ドメインはログで拡張してください。最終行の MATCH は自分の既定ポリシーに合わせます。

# Example only — replace PROXY_STORE with your proxy-groups name
rules:
  - IP-CIDR,127.0.0.0/8,DIRECT,no-resolve
  - IP-CIDR,10.0.0.0/8,DIRECT,no-resolve
  - IP-CIDR,172.16.0.0/12,DIRECT,no-resolve
  - IP-CIDR,192.168.0.0/16,DIRECT,no-resolve
  - DOMAIN-SUFFIX,steampowered.com,PROXY_STORE
  - DOMAIN-SUFFIX,steamcommunity.com,PROXY_STORE
  - DOMAIN-SUFFIX,steamstatic.com,PROXY_STORE
  - DOMAIN-SUFFIX,epicgames.com,PROXY_STORE
  - GEOIP,CN,DIRECT
  - MATCH,DIRECT

巨大パッチをプロキシ経由にすると速度が頭打ちになる場合は、ログで実際のダウンロード先ドメインや IP を確認したうえで、そのブロックだけ DIRECT や「大容量用」の別グループへ分ける、といった運用が現実的です。ルールの順序の勘所は カスタムルール の「上から順に一本道」の説明と合わせて読むと理解しやすくなります。

DNS、fake-ip、名前解決とルールの一致

「ときどきだけストアが白紙」「更新だけ失敗する」原因の多くは DNS にあります。OS の DNS、ブラウザのセキュア DNS(DoH)、Clash 内蔵 DNS が同時に動くと、ルールがマッチするドメイン名と、実際の解決に使われた情報が食い違うことがあります。fake-ip を使う構成では、no-resolve やルールの並び、DNS の上流指定がセットで効いて初めて一貫します。

切り分けでは一度に変えるのは一種類(DNS だけ、またはルールだけ)にすると原因が追いやすいです。接続ログの「名前解決失敗」と「接続は張れたが速度が出ない」は別問題として見ると整理しやすくなります。

ノード選択:ストア用グループは「遅延」より「安定」と「帯域」

ビデオ会議向けに低遅延を優先するノードが、大容量転送では帯域不足になることは珍しくありません。ストア表示とダウンロードで別のプロキシグループを用意し、ダウンロード用は url-test や手動の select で「実測が良い出口」を選ぶ、といった分離が有効です。設定の型は proxy-groups の解説url-testfallback も参照してください。

同一ノードに固定して再現性を取るのは、ルールの問題かノード品質の問題かを分けるための定石です。ルールを変えた直後は、必ずどの行にヒットしたかをログで確認してください。

動作モード:Rule・Global・Direct の位置づけ

Rule が基本です。Global は短時間だけ試すと、ルール不足なのかノード品質なのかを切り分けしやすくなります。常時 Global にすると国内サイトまで遠回りになるためおすすめしません。Direct はベースライン計測用に、ランチャーだけ Clash を事実上オフに近い状態にして比較します。

推奨の切り分け順:ログを正にルールを足す

  1. 変数を減らす:ブラウザ拡張の代理や他社 VPN をいったん止め、Clash だけにする。
  2. 取り方を確かめる:システムプロキシと TUN を切り替え、ランチャーの接続がログに出るか比較する。
  3. 再現してホスト名を拾う:ストア表示、ログイン、インストール、更新の各ステップで宛先ドメインとヒットしたルールをメモする。
  4. ルールか DNS を修正:誤ったポリシーに流れているなら順序やグループ名を直す。DNS は一か所ずつ試す。
  5. 大容量だけ別扱いを検討:必要なら CDN ブロックを DIRECT または別グループへ。利用規約とセキュリティ方針を優先する。

この「ログ駆動」の骨格は Zoom/Teams 向けの分流記事開発者向け分流記事 と同じで、観察対象のホスト名がゲーム配信プラットフォームに変わるだけです。基本操作は チュートリアル で押さえると全体像が掴みやすくなります。

よくある質問

steampowered.com を書いたのにダウンロードが進まない

実際のコンテンツ取得は別ドメインや IP 直撃であることがあります。ログに出たホスト名を追加し、より具体的な行を上に置く、手前の広いルールに食われていないかを確認してください。

Epic はログインできるのにライブラリだけ開かない

認証用とカタログ用でホストが分かれている例があります。失敗した操作の瞬間のログを取り、不足ドメインを足します。DNS の食い違いも疑ってください。

TUN を有効にしたら国内サイトだけ遅くなった

GEOIP,CN,DIRECT やプライベート帯の DIRECT が先に効いているか、MATCH が国内までプロキシに流していないかを確認してください。

まとめ

SteamEpic Games を快適に使うには、ストア表示・認証・CDN・巨大転送を同じ出口に束ねない発想が効きます。分流ルールでランチャーとストア関連ホストを意図したグループへ寄せ、必要なら PROCESS-NAMEDNS を揃え、ログでヒットを確認し続けるのが 2026 年時点でもっとも壊れにくい運用です。

クライアントの入手は 本サイトのダウンロードページ を第一にすると、記事との対応も追いやすくなります。ルールの基礎は カスタムルール完全ガイド で固めたうえで、本稿の手順でゲーム向けのホストを足すとよいでしょう。ルールの見える化と切り替えのしやすさは Clash の強みです。→ Clash を無料ダウンロードし、Steam/Epic 向けの分流を試す