Chromebook Linux(Crostini)に Clash を入れる:購読インポートから「システムプロキシ」周りの整合まで(2026)

ChromebookLinux 開発環境(Crostini)は、中身が基本的に Debian 系のコンテナです。ここに ClashMihomoClash Verge 系)を入れて購読(サブスクリプション)を取り込んでもChrome のブラウザAndroid アプリ同じプロキシ設定を自動では共有しません。本稿は「コンテナ内では通るのに全体では効かない」「ターミナルだけ直結のまま」といった期待と挙動のズレを減らす前提の初回構成を、ポート番号・環境変数・GUI の「システムプロキシ」の三者を揃える観点で整理します。

前提:Crostini は「もう一台の Linux PC」に近い

ChromeOS 本体のネットワークスタックと、Crostini のコンテナは分離されています。コンテナ内の 127.0.0.1 は「Linux 側のループバック」であり、Chrome のタブから見える 127.0.0.1同じ場所を指さないことが多いです。そのため、(1) Linux ターミナルの curlgit、(2) Linux 向けにインストールした GUI アプリ、(3) Chrome で開く Web ページ、のどこにプロキシを効かせたいかを最初に決めると迷子になりにくくなります。クライアントの全体像は 2026 年時点の Clash エコシステム解説 も併読すると、GUI 版とコアの関係を整理しやすいです。

Linux(Beta)の有効化とコンテナの更新

設定から「開発者向けの機能」または「Linux の開発環境」を有効化し、ターミナル(penguin)が開ける状態にします。続けてパッケージ一覧を更新します。

sudo apt update && sudo apt upgrade -y

ChromeOS のバージョンやポリシーによっては、コンテナのネットワークや USB/ファイル共有周りのオプション表記が異なります。企業管理端末ではLinux 自体が無効のこともあるため、最初に「そもそも Crostini が使えるか」だけ管理者に確認してください。

入手とインストール:.deb を選ぶときの注意

Debian ベースでは、多くの場合 .deb パッケージが扱いやすいです。ファイルの入手先は、本サイトの ダウンロードページ を第一参照先にし、開発元のリリースノートとあわせて実行形式(例:Clash Verge の GUI 版)と依存ライブラリを確認してください。ソースコードや Issue の確認で GitHub を開くのは問題ありませんが、日々のクライアント取得はダウンロードページを優先すると、記事やファイル名との突き合わせがしやすくなります。

GUI アプリが起動しない場合は、Wayland/XWayland 周りや、初回に必要になる Mihomo コアのダウンロード失敗(企業プロキシでブロック等)を疑います。用語の整理は チュートリアルページ が役立ちます。

購読 URL のインポートとプロファイルの確認

プロバイダから受け取った 購読 URL をクライアントに登録し、手動または定期的に更新します。名前・更新間隔・ User-Agent はプロバイダの案内に合わせるのが安全です。URL が切れた・認証に失敗する場合の整理は 購読 URL の解説記事 を参照してください。複数プロファイルを運用する場合は、いまアクティブなプロファイルがどれかを画面で確認できる状態にしておくと、後からの切り分けが楽になります。

ルールを足したい場合の基本は カスタムルールのガイド にまとめてあります。GEOIP や広い MATCH が先に当たると、欲しいドメインに届かない――という話も、デスクトップ Linux と同じ論法です。Ubuntu 24.04 での Clash Verge と systemd では、一般的な Linux デスクトップでの購読と自動起動まで踏んでいるため、Crostini で GUI を使う読者は設定思想の参照に向きます。

「システムプロキシ」とポート:まず番号を一つに決める

多くのビルドでは、ローカルに HTTPSOCKS の受け口(例:78907891)が立ちます。システムプロキシを有効にする系のトグルは、コンテナ内の「そのユーザーのデスクトップセッション」向けであり、すべてのコマンドに自動で通るわけではありません。特に sudo apt やサービス用途は、別の環境変数セットになることがあります。まず設定画面と設定ファイルの双方で、同じ番号になっているか確認してください。

💡 ヒント クライアントの「ポート」と、実際に LISTEN しているプロセスは食い違うことがあります。ss -lntp などで、期待する番号が開いているかを見ると早いです(実行には適切な権限が必要です)。

ターミナルに効かせる:環境変数の定番セット

典型的には、シェルのセッションに次のような変数を揃えます(ポートは自分の環境に合わせてください)。

export http_proxy="http://127.0.0.1:7890/"
export https_proxy="http://127.0.0.1:7890/"
export ALL_PROXY="socks5://127.0.0.1:7891"
export no_proxy="localhost,127.0.0.1"

gitnpmcurl などは、アプリ側の追加設定が必要な場合があります。Windows 上の Linux とホスト OS の境界が絡む話は WSL2 と Clash の記事 が参考になります。論点は「127.0.0.1 が指す場所」と「誰の DNS 解決か」ですが、Crostini ではコンテナ127.0.0.1 が Clash のローカル受け口に向く、というイメージで揃えると混乱が減ります。

毎回の export が面倒なら、~/.bashrc に追記する方法もありますが、Clash が止まっているときに何もできず詰む副作用もあるため、On/Off を分けやすい短いスクリプトにする運用も一案です。

なぜ Chrome のタブには効きにくいか

通常、Chrome ブラウザChromeOS 側で動いており、Crostini に入れた Clash の「ローカル受け口」に、自動では向きません。対策の方向性は、(1) Chrome OS のネットワーク設定やポリシーでプロキシを指定できる場合にコンテナ側のポートをホストから参照できるアドレスへ向ける、(2) ブラウザ拡張やプロファイルでプロキシを指定する、(3) そもそも Linux 版のブラウザを Crostini 内に入れてそちらを使う、のように要件で選ぶことになります。校舎や職域では (1)(2) が制限されていることもあるため、利用規約とポリシーを優先してください。

ホストとコンテナのループバックの違いは、他プラットフォームの「一部のアプリだけ通る」問題と根っこが同じです。TUN モードで全体を巻き込む構成は、コンテナの権限やカーネル機能の都合で想定どおりに動きにくい場合があります。仕組みの深掘りは TUN モードの記事 に譲りますが、Crostini ではまずローカル HTTP/SOCKS とルールログが期待どおりかを確認するのが安全です。

起動の手間を減らす(systemd ユーザーサービス)

ログインのたびに GUI を開きたくない場合、systemd のユーザーサービスに登録する方法があります。実例の流れは Ubuntu 24.04 の systemd 記事 のユニット例がそのまま参考になります。Crostini でもユーザーセッション上で動かす前提は同じですが、ディスプレイやセッションの差で失敗することがあるため、journalctl --user でログを確認しながら最小構成から足していくのがおすすめです。

うまくいかないときのチェックリスト

  1. 1

    購読と時刻

    URL 期限切れ、端末の時刻ずれ、プロバイダ側メンテで止まっていないか。エラー文をそのまま検索すると FAQ に当たりやすいです。

  2. 2

    ポートとモード

    クライアントが示すポートと、実際の LISTEN が一致しているか。ルールが DIRECT に落ちていないか Rule ログで確認します。

  3. 3

    どのアプリに効かせたいか

    Chrome と Linux ターミナルで前提が違うのが正常です。ブラウザまで含めて一括で揃えたいなら、OS 側のプロキシ設定か別クライアントの検討が必要になります。

よくある質問

Crostini だけで ChromeOS 全体をトンネルできるか

デフォルトの前提では難しく、管理者ポリシーと権限の壁があります。現実的には、Linux アプリとターミナル向けにローカルプロキシを安定させ、必要なら Chrome 側は別ルートを検討する形になりやすいです。

Android アプリにも効かせるには

Crostini と Android は別コンテナ系であり、直接は共有されません。アプリごとのプロキシ対応や、ルーター/別端末での配置など、要件に応じて設計が分かれます。

学校支給の Chromebook で制限される

Linux 機能自体が無効のことがあります。技術より利用規約と管理者の方針が先です。

まとめ

ChromebookCrostini は、手元の Debian コンテナとして Clash を動かしやすい一方、ChromeAndroid まで同じ「システムプロキシ」で一発同期される世界ではありません。購読の取り込みが成功しても、待ち受けポート・GUI のトグル・シェルの環境変数の three-way を揃え、「どこに効かせたいか」を先に決めると、「入れたのに効かない」をかなり減らせます。オープンソースのライセンスやソースを確認したいときは、ダウンロード導線とは分けて GitHub を参照する形がすっきりします。

他の OS の入門と入手先を揃えるなら、本サイトのダウンロードページ でプラットフォーム横断の導線を取っておくと、用語とバージョンの対応づけがしやすくなります。

Clash を無料ダウンロードし、同じ考え方を他の端末でも試す