Ubuntu 24.04 で Clash Verge を導入する:購読インポートから systemd による起動自動化まで
「Ubuntu 24.04 のデスクトップで Clash Verge を入れて、購読(サブスクリプション)を取り込み、ログインするたびに手動でアプリを開くのをやめたい」という検索意図向けの実践ガイドです。Linux 向けパッケージの入手から GUI での購読登録、systemd のユーザー単位サービスによる起動の自動化までを、コマンド例つきで一続きに整理します。ビルド名に Rev が付く派生やメニュー表記の差はありますが、考え方は共通です。
この記事でできることと前提
対象は Ubuntu 24.04 LTS を例にした一般的なデスクトップ環境(GNOME 想定)です。サーバー用途の最小インストールでは GUI が無いため、本稿の手順は「画面付きの日常利用マシン」を前提にしています。Wayland 既定のセッションでも動作するクライアントが多い一方、レガシーなシステムトレイ連携や権限ダイアログの出方はディストリビューションやデスクトップ環境で差が出ます。詰まったら、まず「いま X11 か Wayland か」「公式ビルドのリリースノートに Ubuntu 24.04 の記載があるか」を確認すると早いです。
クライアントの全体像や、他 GUI との位置づけは 2026 年時点の Clash エコシステム解説 を参照してください。Windows や macOS から乗り換える場合は、画面の対応関係を CFW から Clash Verge への移行記事 と併読すると理解が速くなります。
Clash Verge on Linux:パッケージ形式と入手
Linux 向けには、多くの場合 .deb(Debian 系パッケージ) と AppImage が並んで配布されます。Ubuntu 24.04 では .deb を選ぶと依存関係を apt でまとめて解決しやすく、メニューへの登録やアップデートの運用も素直です。AppImage はポータブルですが、WebKit 系ライブラリまわりで初回だけ追加の共有ライブラリが必要になることがあります。いずれにせよ、入手元の信頼性(署名、リリース履歴、Issue の活発さ)を確認してから導入してください。
ユーザーがインストールパッケージを探す第一参照先は、本サイトの ダウンロードページ に集約してあります。ソースコードやバグ報告のために GitHub を開くのは問題ありませんが、日々のクライアント取得はダウンロードページを優先すると、記事のバージョン表記やファイル名との突き合わせがしやすくなります。
.deb を入れたあと、ターミナルから実行ファイルの場所を確認しておくと後述の systemd 設定が楽です。例として、次のようにパスを調べます(環境により出力は異なります)。
which clash-verge
# or
dpkg -L clash-verge | grep bin
パッケージ名が clash-verge-rev など別名の場合は、上記コマンドの引数を読み替えてください。
初回起動:コア(Mihomo)と権限
初回起動時に Clash Meta/Mihomo コアの取得や配置を案内する画面が出るビルドがあります。ここで失敗すると「アプリは立ち上がるが接続できない」状態になりやすいので、企業プロキシやセキュリティ製品がダウンロードを阻害していないかも合わせて確認してください。用語の整理は チュートリアルページ が役立ちます。
TUN モードを使う場合は、カーネルモジュールや権限まわりの要件が OS 側に及びます。仕組みの深掘りは TUN モードの記事 に譲りますが、Ubuntu では初めて TUN を有効にするときに追加の認可やポリシーが求められることがあります。まずは システムプロキシ だけでブラウザが期待どおり動くかを確認し、必要になったら TUN に進むと切り分けが楽です。
購読(サブスクリプション)のインポートと更新
プロバイダから渡された 購読 URL を、Clash Verge のプロファイル/サブスクリプション画面に登録し、手動または定期の 更新 を実行します。名前・更新間隔・ User-Agent は、プロバイダの案内に合わせるのが安全です。URL が切れた・認証に失敗する場合の整理は 購読 URL の解説記事 にまとめてあります。
複数プロファイルを切り替える運用では、用途ごとに分かりやすい表示名を付け、いまアクティブなプロファイル がどれかを画面で確認できる状態にしておくと、後からのトラブルが減ります。ローカル YAML を直接編集する場合は、購読の自動更新で上書きされないよう、クライアントのマージやオーバーライド機能の有無を先に確認してください。ルールを足したい場合の基本は カスタムルールのガイド が参考になります。
systemd で「ログイン後に自動起動」する(ユーザーサービス)
毎回ランチャーから Clash Verge を開くのが面倒な場合、systemd のユーザー単位サービスに登録する方法があります。これは「ユーザーセッションに載せたうえで、指定の実行ファイルを起動し続ける」仕組みで、サーバー用途の常駐デーモンと同じ systemd ですが、単位が --user 側に寄ります。GUI アプリを起動する都合上、ディスプレイやセッション dbus への接続が必要になるため、単純な After=network.target だけでは早すぎることがあります。
手順 1:ユニットファイルを置く
次のような内容を ~/.config/systemd/user/clash-verge.service に保存します。ExecStart は実際のバイナリパスに合わせて書き換えてください。
[Unit]
Description=Clash Verge (user)
After=graphical-session.target
[Service]
Type=simple
ExecStart=/usr/bin/clash-verge
Restart=on-failure
RestartSec=5
[Install]
WantedBy=default.target
Wayland 環境で表示まわりの変数が足りない場合は、デスクトップ環境のドキュメントに沿って Environment= 行を追加する必要が出ることがあります。まずは上記の最小構成で試し、ログに「ディスプレイに接続できない」系のエラーが出るかを見ます。
手順 2:有効化と起動確認
ターミナルで次を実行します。
systemctl --user daemon-reload
systemctl --user enable --now clash-verge.service
systemctl --user status clash-verge.service
status で active (running) が確認できれば、ログインセッション上でプロセスが立ち上がっています。再ログイン後も自動で起動するかを確認してください。
補足:ログイン前に動かしたい場合
ユーザーサービスは基本「そのユーザーがログインしたあと」に動きます。ディスプレイマネージャの手前から常駐させたい、という要件はホーム用途では稀ですが、どうしても必要なら linger など別の設計が必要になり、GUI アプリとは相性が悪い場面もあります。一般的なデスクトップ利用では、ログイン後の自動起動 を満たせば十分なことが多いです。
代替:autostart の .desktop
systemd を介さず、~/.config/autostart/ に .desktop を置く方法もあります。設定が短く、ディスプレイセッションとの相性トラブルが少ない反面、クラッシュ時の自動再起動などは自前になります。どちらを選んでも、目的は「起動し忘れを減らす」ことなので、運用に合わせてよい方を選んでください。
うまくいかないときのチェックリスト
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1
購読とプロファイル
期限切れ・プロバイダ側メンテ・URL 再発行で止まっていないか。エラー文をそのまま検索すると FAQ に当たりやすいです。
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2
systemd のログ
journalctl --user -u clash-verge.service -bで直近のブート分を確認します。ExecStart のパス誤りや権限エラーが一目で分かります。 -
3
モードと競合
システムプロキシと TUN を同時に有効にして挙動が不安定になることがあります。別の VPN クライアントと競合していないかも確認します。
よくある質問
二重起動してしまわないか
手動起動と systemd 起動が重なるとプロセスが二つになることがあります。どちらか一方に寄せるか、ユニット側で既存プロセスの扱いを確認してください。メニューから「起動時に開く」系の設定があるビルドは、autostart と二重にならないよう一方をオフにします。
root で systemd を書いてよいか
GUI クライアントをシステム全体のサービスとして常駐させるのは、セキュリティと表示セッションの都合から推奨されにくいです。通常はユーザー単位のサービスか autostart で十分です。
他ディストリでも同じか
Fedora/Arch などでもユーザー systemd の考え方は同じですが、パッケージ名や依存関係、TUN のセットアップは異なります。Ubuntu 以外では配布元の手順を優先してください。
まとめ
Ubuntu 24.04 のデスクトップで Clash Verge を使う流れは、「信頼できるビルドを入れる → 初回にコアを通す → 購読でプロファイルを揃える → システムプロキシか TUN でアプリに効かせる → 起動忘れを systemd か autostart で減らす」に集約できます。Linux はディストリビューション差が残るため、公式リリースの対象 OS 表記と、自分の環境の表示サーバ(X11/Wayland)をセットで確認しておくと安心です。
同じ設定思想を他の OS でも試したい場合、各プラットフォーム向けの説明と入手先を 本サイトのダウンロードページ で揃えると、バージョンと用語の対応が取りやすくなります。オープンソースのライセンスやソースを確認したいときは、本文の導線とは分けて GitHub を参照する形がおすすめです。